2010年11月22日

土曜の夜の渋谷にて

 いつの間にか11月も残り3分の1になって・・・、見渡すと雑木林の紅葉も進んでいます。派手ではないけれど・・・でも、小春日和に見る雑木林の紅葉、黄葉はなかなかに味わい深いです。人生の最後の輝きのような・・・なんか、ちょっとしんみりとして、感慨深く眺める気分です。まあ、これって若い時にはまったく感じなかったことかも??

 それはさておき、20日(土)は夕刻から、久々に文化村シアターコクーンへ芝居を見にゆきました。
 
 『タンゴ』 作:S.ムジロック、演出:長塚圭史
出演:森山未来、奥村佳恵、吉田鋼太郎、秋山菜津子、片桐はいり、辻萬長、橋本さとし

 これはポーランドの巨匠ムジロックによるソ連の支配下で苦しんだ経験をもとにした独裁批判の作品のようですが・・、長塚さんは日本に置き換えたのか、この作品に団塊世代への批判を込めたかに見受けました。

 若い日々、伝統への反抗、自由への希求など『破壊と解放』を旗印にした過激な行動の結果、いまや退廃的社会に居座る感じの両親(吉田鋼太郎、秋山菜津子)への敵対心から、息子アルトゥル(森山未来)は伝統回帰、愛らしい従妹(奥村佳恵)との保守的な結婚を試み、家族に新たな秩序を求める・・。しかし、次第にエスカレートする息子の行動は、身勝手な理屈を積み上げて、あっという間に家族の支配者、独裁者となっていく。しかし、そんなアルトゥルの独裁も長くは続かず、後を継いで次なる支配者となったのは、皮肉なことに野卑な小作人、エーデックだった。
 
 伝統を破壊した後に、なにも築けない両親世代も、その有り様に苛立つ息子もどちらも、自分勝手な理屈ともいえない理屈を振り回し、滑稽で・・・ちょっと痛々しい。人間ってホント、どうしようもないなぁ・・・。でも、支配権を手にすると、一気に独裁者になっていく息子の方が実はもっと恐ろしいような・・・。ってことで、同世代ってこともあって、むしろ、ダメ両親に少しながら共感しちゃいそうでした。

 ともかく、膨大な台詞をマシンガントークさながらに、叩き付けるように激しく演じる森山未来クンのエネルギッシュな芝居に圧倒されました。あの細い体のどこに、そんなパワーがあるのかと・・・。かつて伝統破壊に力をつくし、今は風変わりな実験演劇に熱中する父、ストーミルを演じる吉田鋼太郎さんもとぼけていて、すごくハマっていました。

 カーテンコールもなく、ポンと観客を放り出したようなエンディングは、確か『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』同様、長塚圭史氏の最近、お気に入りの演出なのかな?今回は演出家がさりげなく舞台に登場して、黒子を演じていたのも興味深いでした。この芝居の訴えるものは何かなぁ・・・とちょっと呆然としながら、3時間の芝居観劇後、とぼとぼと帰途につきました。
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2010年09月11日

選ぶはスリリングな人生?

 9月9日、重陽の節句と何の関係もありませんが、青山円形劇場に『叔母との旅』を見に行きました。

 原作 グレアム・グリーン 演出 松村武
 出演 段田安則 浅野和之 高橋克実 鈴木浩介

 このキャストに即、チケ取ってました。


 
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 男4人で20人以上のキャラを演じわけるというけれど?円形舞台だけど・・・どうやって演じわけるの? いろいろ気になって、楽しみ!!

 50代半ばで銀行支店長を引退、ガーデニングを趣味に静かな日々を送るヘンリー。母の葬儀で50年ぶりに対面した叔母は、奔放、波乱に満ちた人生を歩んでいたらしい・・・。そんな叔母と旅に出ることになり・・・、ヘンリーの生き方にも・・・変化が・・・。

 予想をこえる芝居でした。なにしろ、ヘンリーを4人が演じ、さらに段田さんはスーツ姿のままで叔母になり、浅野さんは同じくスーツのまま旅先で出会う10代の女の子やら、ヘンリーに思いを寄せる老嬢、サングラスをかけてCIAのあやしい男などなど変身。
 高橋さんは叔母の若い愛人、叔母が人生をかけて愛する謎の男ヴィスコンティなどになり、そして、鈴木さんは、もういったいいくつ?ってくらい・・・警官になったり、ウエイターにも、フロントマンにも・・・etc.,・・・もう、目紛しいくらいです。

 で、旅といっても、トランクを列車に見立てたり、座席になったり...観客も想像力総動員です。

 シンプルなのに凝った演出に、芸達者な皆さんが、楽しんで演じているので、面白かった。

 グレアム・グリーンのかなり晩年の作品らしいけれど、ひとの生き方について、安全第一よりも、自分に正直に生きよう・・・とのおすすめです。奔放で、時に、危ない道も渡って行く叔母の生き方が魅力的だなぁ・・・・。
 とまあ、安全第一主義の私は、憧れちゃいました。
 

 

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2010年08月04日

久々の観劇

 もう8月です。なんか、時間だけがドンドン過ぎて行く・・、「お〜〜〜い、待ってくれよ〜〜」とはるか後ろから、ドタドタと追いかけている気分がしてきます。しかも、現実は猛暑の8月にふ〜〜ふ〜〜〜って感じです。

 ともかく、8月1日、久々に芝居を見に行きました。行き先は池袋の東京芸術劇場中ホール。野田秀樹さんの『ザ・キャラクター』です。精力的に公演を行なっている野田さんですが、私には、昨年夏の『ザ・ダイバー』以来の観劇です。

 今回は、舞台が書道教室。ちょっと、『え?』って思ってしまうような、アナログ世界ですが、この設定が面白い。デジタルとの対比?究極のアナログ、いえ、アナクロ?な雰囲気も漂います。

 まさに、まさかの書道教室です。漢字をちりばめて、言葉遊びもどっさり・・・。
 しかも、実は、この書道教室はかなり、いかがわしい・・・感じ。なにしろ、この教室の家元が、古田新太さん、家元夫人が 野田秀樹さん・・・・って、もう聞くだけでも、いかがわしさ120%って感じ。

 この書道教室で行方不明になった息子を探すのが、母親の銀粉蝶さん、同じく行方不明の弟を探すために潜入を試みるのが、姉の宮沢りえさん。

 この芝居に奥行きを与えているのが、ギリシャ神話とのコラボ。野田さんの頭の中を覗きたくなるような・・・多重構造のお話がからみあって...見えて来るのは、あの忌わしい事件。地下鉄サリン事件など、一連の特異な集団の犯行・・・。

 私たちは、不可解な事件に遭遇すると、特殊例だと決めつけたり、無理矢理、動機を考えて、一件落着としてしまいたくなる。

 でも、組織の中で・・・奇妙にねじれていく感情・・・、一気にとんでもない結論にいたる恐ろしさ...、私たちは安易にわかったつもりにも、解決したつもりにもなってはいけないと。

 パンドラの箱の底には「希望が残った」というけれど、この事件では、「希望も残っていなかった」。

 ズキンと心痛むこの芝居は、きっと、また何度も反すうしたくなる作品になりました。

 宮沢りえさん・・・、野田芝居に欠かせない女優さんになりました。ちょっと、意外なのに、違和感なかったのが、藤井隆さん。橋爪功さんは、「物忘れ」しがちな・・・大家(「おおや」なのか?「たいか」なのか?)。パズルのピースがピタッとはまったような・・・キャスト、そして、クライマックスへとぐんぐん加速して行く緊迫感、もう1度見たいなぁ・・・と思ったけれど、公演は8月8日まででした。残念。
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2010年05月04日

二人の夫って??

 5月2日は久々のコクーン・シアターでの観劇でした。そもそも、渋谷に出かけるのが・・久しぶりって感じがしたけれど、昨年12月の『12人の怒れる男たち』以来だったんですね・・・でも、それ以上に久しぶりって感じもしたなぁ。

 というわけで、演目はサマセット・モーム原作、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出の『二人の夫とわたしの事情』。出演は松たか子、段田安則、渡辺徹 他。

 一言で言ってしまえば、かなり面白かったです。上質のコメディーって、つくる側には相当、難しいんでしょうけれど、観る側はもう、単純に笑って・・・あとに引きずらない、娯楽としては最高。

 愛する夫が戦死し、夫の親友と再婚した妻、しかし、そこへ、死んだはずの夫がひょっこり生還・・・。さて・・・この状況どうする??と思いきや・・・。

 松たか子さん演じる妻ヴィクトリアは、実は、一筋縄では行かない女。可愛い見た目と裏腹に、自己中、我がまま、その上、ちょっとH・・・?なんとも、男を翻弄するイヤな女・・・なのに、愛嬌もあって、なぜか憎めない・・・。結局、男性は彼女のワガママにも身勝手にも、勝てないわけです・・・。このとんでもない女性を、松たか子さんが楽しそうに演じて、翻弄される二人の夫も、段田さんと渡辺徹さんって・・・・・体型からして対照的なのに・・・、まるでボケとツッコミって漫才コンビみたいな感じ。ホント、芸達者な皆さんが真面目に演じて、なんともおかしい・・・。しかし、話は、実に・・・意外な展開へ??

 途中に2回の休憩がちょっと芝居の勢いを削いでいないか?まあ、寝室から、リビング、台所と場面設定が変わる都合上、致し方ないのかも知れませんが・・?それにしても、単純にコメディって・・・・楽しいなぁ・・と満足、満足。これが実は連休のメインイベントでした。渋滞をものともしない皆さんからしたら、非常に・・ささやかな娯楽ではありますが・・・・。

 
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2010年04月20日

語り?騙り?かたりの椅子

 17日朝、目覚めてビックリの雪景色。ホント、異常気象の年にしても・・・ちょっとこの異常加減はやりすぎ??

 明けて、18日はようやく春らしいお天気となりました。

 世田谷パブリック・シアターへ二兎社(永井愛 作/演出)の『かたりの椅子』を見に行く日。この芝居、かたり市のまちおこしのためのアート.フェスティバルに雇われたプロデューサー(竹下景子)が、いきなり財団法人理事長とフェスティバル実行委員に翻弄されることに・・・。アートの現場を官僚天下りの財団理事長と都庁から出向のサポート役がタッグを組んで仕切っていることへの問題提起と同時に、市民サイドとしてかかわる実行委員らも・・・結局、自己保身から寝返ることへの告発、もあって、テーマは重い。

 単純に、官僚の自己保身的な横暴に対する怒りで終らず・・・回り回ると、結局市民ひとりひとりの自己保身へ収斂するということは確かにあるでしょうね・・。

 まちおこしに・・・かたりの椅子、その椅子に座って市民が自由に対話する場の提供をという美術家の提案、狙いを、治安やら健康やら、公序良俗やら、ありとあらゆる難くせで、妨害して、理事長自らの提案を強要するって、いかにもありそうな・・・??デジャヴュ感ありありの台詞がポンポンと・・・・出てくる、出てくる。つまり、部外者もこの状況に馴れ親しんでいるってことは、つまり、今の社会における共犯関係??ってことになるのかなぁ??

 ホント、そんな中でも、思わず笑っちゃったのは、市の職員で妨害工作を強いられる中年職員、メールが苦手で、「全部ひらがな」って・・・かなり観客に受けてました。

 でも、まあ、それぞれの人物がカリカチュアされていて、演技も演出もちょっとリアリティを欠いた感じもした。
 そもそも、新国立劇場の演劇部門芸術監督交代劇を踏まえた注目の芝居だけに、リアリティあり過ぎない方が・・??ってことかなぁ。
 もちろん、作家のメッセージは十分に伝わりました。単なる官僚批判に終らない。官僚だけの問題で、この国が長年滞っていたわけではないだろう?と。官僚の時に甘言、時に脅しに自らの主張を封印してきた市民の責任も大いに問われるべきという芝居だった。「語りの椅子」がいつしか「騙りの椅子」になっている??

 雇われプロデューサーに対して、時に「炊き出しの豚汁」(ホームレス)生活への転落をちらつかせて....、なんとか、官僚天下り財団理事長の思い通りにことを進めたい・・・というそのやり方は確かに悪らつだけど、もし誰もがそれに対してNOと言えば、事態はもっと良い形で解決するはず??って、それができれば??苦労はない??この芝居の幕切れで、はたして、雇われプロデューサーの決断は?
 
 かなり重いメッセージの芝居で...ちょっと、見終ってドッと疲れた・・のは、つまり、誰も、生活優先で本来の、自分の思いを裏切ってしまう・・・、これまでにも裏切って来た・・・そんな人生のこれから先への暗たんたる思いってことかも知れません。
 
 ホント他人事ではない?・・とはいえ、自己保身やら利益に目が眩んで・・・という選択のチャンスさえ縁がなかったので、うちは、すでに『豚汁の炊き出し』に並ぶ直前状態ですが・・。

 

 

 
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2010年02月07日

理解不能??でも、理解は可能??

 本日は、イギリス留学から帰国した長塚圭史さんの芝居を下北沢の本多劇場に見に行きました。
 ネットでいろいろな感想が見られるので、かなり『難解らしい』という見当はついていました。


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 まあ、長塚さん作品、特に阿佐ヶ谷スパイダースはまったく知らず、これまで長塚作品は『LAST SHOW』と『SISTERES』だけ観劇・・って感じだったので、今回の芝居にも特に先入観はなかった。
 
 阿佐ヶ谷スパイダースのファンにはいろいろと違和感やら不満やら・多かったようで、『難解』とか、さらに否定的な感想もみたけれど・・・、そんな思い入れがなかった上に・・、そもそも「わらないだろうな???」と思っていたのが幸いでしょうか??
  
 新作への批評が厳しくて・・・すっかりめげた作家がバーに出かけて・・・そこで知り合った女と・・・トラブった・・・??

 そこから、作家の夢なのか、現なのか?現だったとしたらそれは予知夢か??

 芝居の由余曲折もなんとも不思議な空気・・・。

 でも、なんにしろ・・・このタイトルからしたら・・、不思議も難解も当然でしょう・・・。『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』ってつまりは『反時計まわりの不思議の国』ということは、時空間も逆まわり?で、なにもかも不思議でも文句は言えない・・。でも、それはちょっと長塚さん、狡い??って気もしたけれど??

 ともあれ、分からない芝居を見てちょっと頭を悩ませることも、楽しいかも・・・って、思っています。
 
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2010年01月10日

2010年初観劇

 3連休ということですが、あまりピンと来ないのはなぜか?と思いつつ、今年初観劇に紀伊国屋ホールに出かけました。
 芝居は鈴木聡さん作・演出、ラッパ屋の『世界の秘密と田中』。
 
 ラッパ屋さんの芝居、数はそれほど多く見てはいませんが、でも、なんか、あったかくて・・・しみじみして・・・人間悪くないよね〜〜〜って思わせてくれるような印象はあります。
 だから、初観劇にはぴったり?

 それにしても『世界の秘密と田中』って芝居のタイトルからして疑問符だらけ・・・。


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 舞台はとある古びたアパートの一室、家具付きの部屋でどの部屋も同じしつらえとあって・・装置はたびたび何人もの住人の部屋へと様変わり。窓のシェードの使い方も巧み。
 そして、それぞれの住人の背負った人生やら悩みやらに人間関係も入り乱れて・・・とんでもないことに・・・。

 主人公の田中は、お菓子メーカーに勤めるうだつの上がらない男。キャリアアップを目指して転職をするたびにどうしようもなく、やりがいのない仕事になって行く・・・。
 そんな彼をとりまくアパートの住人たちもそれぞれ、いろいろ悩みを抱えつつ、あら、時に一夜のあやまち?なんてことになったり・・??でも、そのおとしまえの付け方がそれぞれに誠実で・・・・。

 「大人になると世間がわかったような気分になる。どうにかしたいのにどうにもならないことが分かり、あきらめのような境地にいたることもある。だかそれを知ればより良く生きられるはずの『世界の秘密』をさがして、必死で本を読み、友と夜明けまで語り、ヘタクソな恋をし、淋しい街をうろついた気持を忘れたくはない』と鈴木さんが語るように、解決方法は見つからないけれど・・・でも、なんとかがんばっていこう・・って。
 笑っていたのに、いつのまにか、涙ぐんでいたり。最近とみに涙腺が壊れ加減だから・・・最後は、うるうる???なってました。

 ラッパ屋さんの予定では2010年12月にも新作を公演する予定のようですが・・・12月ね〜〜〜〜。まあ、できれば、なんとか見に行きたいけれど??

 ところで、芝居の前に紀伊国屋書店の岩波文庫のならぶあたりをみていたら・・・、若い、成人式くらい??って感じの大学生3人やってきて、うちひとりが『おすすめの本ある?あ!これ読んだ』(何かと思ったら『武士道』)。
 すると聞かれたひとり『これは読んだ方が良い』(見ると『学問のすすめ』へぇ〜〜〜??驚)。さらに、『あ!これ、ちょ〜〜〜〜おすすめ。マジ、奥深い・・・』(何とこれが『君たちはどう生きる』吉野源三郎著)。

 へ〜〜、わたしも中学くらいの時に感激して読んだコペル君と伯父さんの物語り・・・、生きることについて、いかに生きるべきか・・・考えさせれられたけれど・・・21世紀の若者も変わらないのか・・・)。『ちょ〜〜〜』とか『マジ』って吉野さんもびっくりかもしれないけれど・・でも、ちゃんと伝わっているなら『ちょ〜〜うれしいかも』と、たまたまの光景でした。
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2009年12月06日

舞台ってやっぱり面白い!

 今年最後の観劇でした。実は昨日の土曜日、寒さと天気下り坂の中、子どもたちと今年最後の観察会もあったのですが、その報告はちょっと後回しにさせていただいて、本日は、久々の渋谷コクーンシアターへ。

 師走の渋谷はなにやらごった返していました。そうそう、8月にコクーンへ行く途中、書店ブックファーストがまるでごっそりとなくなっていて・・・どうなったんだろう??と思っていたら、なんとそこはM&Aだか??安価なファッションショップに変わっていたことを知りました。
 ちょっと、いえ、かなり!残念。ブックファーストは時間調整などに利用させてもらっていたけれど、もっと本を買っておけば閉店にはならなかった・・ってことでもないだろうけれど・・・。

 ともかく、本日は今年最後の観劇です。コクーンで「十二人の怒れる男たち」。演出 蜷川幸雄
 
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 かつてヘンリー・フォンダ主演の映画を何度か見た記憶があり、一応ストーリーはわかっていた。映画で見ても、室内のみのやりとりは舞台的と思っていたから、納得の舞台化です。
 というわけで、ある意味、ご存知とのお話をどう演ずるか?個性的な男優が揃って・・・見ごたえがありました。

 蒸し暑い夏の午後、父親殺しの罪でひとりの少年が裁かれようとしていた。審理は終り、いまや少年の運命は事件のために無作為に選ばれた12人の男たち=陪審員にゆだねられている。提出された証拠と証言は、少年に不利なものばかり。劣悪な環境で育った少年には逮捕歴もあり、陪審員の多くは有罪を確信していた・・・。

 この状況から芝居はスタート。ただひとり、少年の犯罪に疑問を感じた陪審員第8号が無罪を主張したものだから、話は紛糾。

 しかし、こんがらがった糸を解きほぐすように、粘り強く少年の犯罪を解明していくと・・・・。
 
 陪審員のひとりひとりのキャラクターがしっかりと描きわけられている。そして、たまたま裁判で縁もゆかりもない同志、判決をしなくてはならないという困惑やら迷走、自身の精神的ありようも影響する判決の不安感が巧みに描かれていました。
 スリルもあり、人間を描いて面白い芝居でしたが、この陪審員に似た裁判員制度が始まっている日本を考えると・・・。

 多数の意見に流されない、しかも、多数派を説得できる論理性など、ふつうの人間にはかなり難しいことだろう。つい、多数について安心みたいな人間が裁判員になったら(多分、それはわたし・・かも?)・・・、実際は無実でも有罪判決になる危険性はあるかも??など、あらためて考えさせられました。
 民主主義は少数意見を聞くこと・・・と言ったセリフもあったけれど、始まったばかりのニホンの裁判員制度で、裁判官に誘導されないか?例えば少数意見をあえて言えるか?とか・・考えると、やはり、この芝居のような展開が希有のことに思えました。
 
 それぞれに個性的な12人の陪審員を演じた皆さん、いかにものキャスティングに思えました。まあ、自らの息子の反抗に事件を重ねて粗暴な陪審員3号を演じた西岡徳馬さんが目立っていましたが・・・。事件に疑問を感じ、最初に無罪を主張した勇気ある男を中井貴一さんが演じていたけれど(映画ではヘンリ−・フォンダ)、これは、ちょっと難しい役だったかも・・・。でも、これから何かを判断する時には、彼の演じた陪審員8号は手本にしたい人物と言えそうです。

 千秋楽とあって、カーテンコールも熱がこもって、バ〜〜〜ンと銀テープも舞って、観客はスタンディング・オベーション・・・千秋楽の観劇は大満足でした。

 
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2009年11月15日

どんな事情?

 本日はピカピカに晴れて小春日和となりましたが、昨日は雨、風・・・天気予報によると、突風もあるとか??最悪の天気。
 
 そんな悪天候にもかかわらず、下北沢に芝居を見に行くことになっていて・・・どうしましょう?大丈夫??と心配していたら、なんとか出かける頃には雨も上がり、やれやれ。

 今回は初観劇の山の手事情社という劇団の芝居です。ほんの少し、この劇団の関係者からの話しなど間接的に聞いて、機会があれば見てみたい・・・と思っていたけれど、なかなか都合があわなくて・・・ようやく、今回初体験です。

 今回の芝居は『山の手・女祭り・男祭り』ということで、『お茶とおんな』『おとことお酒』2本連続公演。
 両方見られると良いのでしょうが、そうはいかず、迷って『おとことお酒』をとりました。

 で、開始40分前から受け付けという・・・ことで、下北沢、本多劇場に近いという小劇場 楽園へ行くと・・『え?ここ?』
小さな扉のみ・・、さて、この扉前に並ぶのか??少し、様子を見ましょう・・・と、近くのお店をブラブラ・・したいけれど、どのお店もひやかせない??くらい小さい(トホホ)。結局、戻って来たら、2〜3人ってかんじで並んでいるひとがいて、そのあとについて、受付時間を待ち、受付番号5をゲット。ついでに、チケット代3000円を支払いましたが、開場までまだ時間があるので、さらに、近くをさまよい??コンビニで水やらMintiaを買って時間つぶし。

 さて、やっと、入場しました。小劇場だけに、見事なまでに小さいです。座席数ではどうなのか??わかりませんが・・、その昔 転形劇場というTBS裏の民間アパートにあった劇場以来かも??1974年頃のことですが・・。話脱線すると、転形劇場から大杉蓮さんが、品川徹さんが今では大活躍しています。

 ともかく、初の劇団の芝居だけに、この1本でとやかく言えないとは思いますが、なかなか実験的なお芝居だったような?
 
 『おとことお酒』 出演者の役名は石川五衛門だとか、チェ・ゲバラだとか、項羽だとか・・見るからに立派な歴史上の人物だけど、目の前の彼らは、ジーンズだったり、ステテコまがいの半ズボンだったり??・・その上に、会話も酔っ払いのヨタ話?のようで・・・?
 最初意味を掴みかねましたが、この芝居では役者の『地』から『役』までの舞台上のグラデーションで展開したい・・・ということだったそうで、確かに、最後の役になり切った役者さんたちには、あらためて『やるなぁ』と思い・・・最初からその役を演じていたら、その差異は分からなかったかもなぁ・・・と思いました。

 さらに、おとこ、おんな・・・その違い、それはきっと、互いに分からない生きものってこと・・つまり、芝居の格好の素材なんだろうな・・と思いました。どちらが良いとか悪いとか、上とか下とかではない・・単なる違いとして・・・。

 小さな劇場で、はじめて見た舞台は、やはり新鮮で、知らない世界を垣間見た楽しさがありました。また、別の作品を見たいかも・・・。
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2009年10月03日

不思議・・・大好き!

 なんであれ、不思議なものには興味を引かれますね。簡単な手品だって・・・、ポカ〜〜ンとなって、ただただ・・・不思議だなぁ・・・と呆気に取られる安易な奴です。

 ともかく、そんなわたしが、昨夜は寺山修二さんの『中国の不思議な役人』という芝居を見に行きました。天気予報では、夕方からは傘がいらないはずが・・・、雨が降っているでしょ・・。出だしから不思議??

 寺山さんといえば、独特の『寺山ワールド』です。
過去に見たのは『身毒丸』と『青ひげ公の城』の2作品のみ。どちらも『寺山ワールドの猥雑で摩訶不思議な世界』について感想を書いていた。

 で、今回の芝居ですが、もう冒頭から不安を感じさせる不協和音の音楽(生演奏)が印象的、そして、中国をイメージした群像には、もう、エネルギッシュで、エキゾティック、エロチックな雰囲気が漂う『寺山ワールド』そのもの。「そうそう、これこれ!」って
思える人物と小道具に加え、陰や鏡をを暗喩としたセリフと展開も・・実に興味深い。

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 縁日のにぎわい、おもちゃ箱をひっくり返したような・・・不思議な感覚は、『これこそが寺山。これでしょ、これこれ!』って感じで、芝居のストーリーを度外視して、見ものはこれ!・・・って感じだったかも。小道具を含めて美術が素晴らしい。でも、きっと、初演に比べたら、凄く洗練されてきていて、本来の寺山ワールドとは味わいがかなり違っていたんでしょうけれど。
 
 中国の不思議な役人(平幹二郎さん)、彼は不死ということだが、愛する女の腕の中で死ねば生き返らないと言われていて・・・。そこに、少女にして娼婦の存在に、、愛されることなって・・、しかも少女の兄に命を狙われる展開・・。

 愛と死との関係で言えば、佐野洋子さんの『百万回生きた猫』をつい思ってしまいました。でも、猫は愛されるだけの存在の間は死ななかった・・けれど、唯一、愛する存在を得て、しかも、その存在を失った時、死を受け入れた・・という絵本とは思えない深い内容でしたが、この『中国の不思議な役人』の「愛と死」は、ちょっと異なって、疑問もありつつ..それでも、この不思議な「寺山ワールド」に幻惑されて、なかなか楽しいでした。

 なぜか、格安のチケットとなっていたので、それだけで、評価も甘くなるダメ観客でした。

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2009年08月16日

人間は愚かで可愛い?

 お盆休みもあれ〜〜、いつ休んだか??って感じのうちの終わりです。

 わたしにとって、実質お盆休みを実感できたのは、14日金曜にコクーンへ芝居を見に行ったことだけかも??

 コクーン、お久しぶりです。夏らしい演目『怪談 牡丹灯籠』ということで、今回も、2階席ですが、芝居の始まる前のワクワク感・・・それが、観劇の楽しみのひとつ?いえ、楽しみの3分の1かも・・・。チケットゲットできるかどうか・・がまず、最初のドキドキ、次が、いよいよ幕が上がるぞ・・・というワクワク・・、そして、あとは、幕が上がってからの、すべてを引き込まれる放心状態・・・。芝居の楽しみは奥が深いんです。

 さて、14日ソワレの『怪談 牡丹灯籠』ですが、若くてカッコ良い新三郎(瑛太)さんに恋いこがれたお露(柴本幸)が、焦がれ死んでなお、新三郎にとりつこうとする。それをなんとか防ごうと、日頃、新三郎に世話になっている伴蔵(段田安則)は、怨霊退散のお札や金無垢の仏像でその身を守るよう手配するけれど・・・。結局、日頃の恩よりも、今の貧乏暮らしを抜けだせる金に目が眩み、伴蔵夫婦は・・・。つまりは、恩を仇で返した・・結果の因果応報って話ではあるんでしょうけれど、ちょっと、今それがリアルに伝わる話しかなぁ??

 取り付く怨霊などよりは、人間の欲やら身勝手やらの方がはるかに恐ろしくもあり、でも、どこか愚かさやどん欲さにより親近感もあるようで・・・、つまりは怪談話がどうも成立しづらい世の中のよう??

 甲斐性なしの亭主、伴蔵、それが、金を手にした途端に遊び人になる・・そんな『駄メンズ』を段田さんがさすがに上手く演じる。伴蔵の妻、けなげに亭主を支えつつ、明るくしかも時に悪知恵も働くお峰を演じる伊藤蘭さんもなかなかで、驚くほどぴったりの夫婦振り。
 若い新三郎の瑛太さんは、初舞台らしく、まだまだこれから・・・って感じ。それにしても、素人観客にまで、上手い下手が即座に伝わる舞台の怖さがひしひしとわかって、これも魅力のひとつ?

 なにはともあれ、芝居は、どんな物語でも、やはり、愚かで、しかし、可愛くて、ずるくて、悲しい人間を描くことがいつの時代にも共感のかぎを握っているんじゃないかなぁ。

 
 

 
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2009年07月07日

いかようにも・・・

 5日の日曜日は東京芸術劇場へイギリスの劇団プロペラの公演「夏の夜の夢」を見に行きました、

 東京芸術劇場の芸術監督に就任した野田秀樹さんからの「見に来てよ・・」というお手紙?にまんまとだまされて??ふらふらチケットを取ったことは、以前にも書きましたが、時計はくるくると時を刻んで・・・、気づくと、公演当日です。

 東京芸術劇場、池袋東口すぐにあって、便利なのに・・・過去に1回しか行ったことがない・・・。がく〜(落胆した顔)

 ともかく、英語劇なので、イヤフォーンを借りました。でも、役者が演じる声と、イヤフォーンの中の日本語の声が重なるとどうなの??と心配しつつ・・・開演前にも係わらず、幕があがると、白いボディスーツ?姿の役者さんが、客席をじっと見つめる・・・、なんとも・・・不思議なオープニング。
 
 シェークスピアの初期の作品、『夏の夜の夢』有名な作品ですが、読んでいないし、芝居を見るのも初めて・・・。でも、うっすらストーリーは知っている・・・、さすが、シェークスピア。

 ともかく、シェークスピアの時代には、役者はすべて男優だったということで、日本の歌舞伎に似た状況かなぁ??

 今回の劇団「プロペラ」も男だけの上演・・・というところはシェークスピアの芝居を忠実になぞっているようで・・しかし、実際は、女形になっていない・・・、ただ、スキンヘッドの男優がスカートやチュチュをはいて、演じているだけ??

 なんとも、斬新な・・・、違和感もあり・・と言えそうな芝居です。こんな風に、自由に演じられる・・・どんな時代でも、どんな演出でも、可能な芝居の許容量の広さに、あらためて、シェークスピアってすごいなぁ・・・と、感心しきり。どう変化させても・・・そのエスプリは今に伝わるって・・・!!

 ということで、劇団「プロペラ」の試み以上に、シェークスピアの懐の深さを感じた芝居でした。

 でも、芸術監督就任初作品として、招いた野田さんらしい、いかにも好みの劇団かも??・・・。斬新でありがなら、古典をないがしろにしていない・・・ってことかなぁ・・・。

 それにしても、9月に公演の『THE DIVER』先行予約取れなかったぞ・・・、ホント、見られるのかなぁ??そっちの方が気になります。もうやだ〜(悲しい顔)
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2009年06月13日

まんまと引っ掛かった?

 梅雨空が鬱陶しい毎日??それにしても、日暮れが遅くなって午後7時くらいまで明るくて・・・・なんかうれしい・・・のは、単なる能天気だからでしょう。

 ところで、「まんまと引っ掛かった」と言っても、詐欺じゃないです。昨日、池袋の東京芸術劇場の芸術監督に就任した野田秀樹さんから手書き?のダイレクトメールが届きまして、イギリスの小劇団『プロペラ』の公演ご案内でした。

 男だけの芝居で、『ベニスの商人』と『真夏の夜の夢』を上演するとか・・・.
『飛んで歌うオトコたち、プロペラ。最高にハッピーなオトコたち、プロペラ』だそうです。
 なんかよくわかりませんが、野田さんが、ノダマップの先行会員にまで頼み込む??ってめったにない?こと?いえ、初めてのことだし・・・、
『是非是非、ご高覧あれ』ということで・・・、チケット取りました。野田さん、まんまと作戦成功です。

 ちょうど7月の観劇予定がなかったし・・・、5日のマチネー、それもA席は 4500円ということでしたからね。
 5日の公演は、シェークスピアの『真夏の夜の夢』、超有名作品ですが、読んでません。見ていません。予習は必要かな?「イヤホンガイドを用意していますので言葉の心配はいりません」とありましたが??

 それにしても、チラシにはすごく小さな文字で「65歳以上の方はS席半額」の文字・・・。S席6500円の半額って、A席より安いって!!・・・、早く65歳になりた〜〜い・・・、私がなる時までこの半額サービス続いていますように・・・・(でも劇場チケットサービス窓口まで身分証明書持参だそうですが・・・)。
 
 世の中、不況のせいでしょうか?芝居のチケットが少〜〜し取りやすくなっているみたいで・・・、良いのか、悪いのか??

 『プロペラ』といっしょにあったチラシ『ザ・ダイバー』日本バージョンのチケットはとれるのかなぁ??先行予約・・・ありますよね・・・野田さん?
 
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2009年06月07日

嘘に嘘が積み重なって・・・

 久々のカトケンのお芝居を見に下北沢へ。先月に続いての下北です・・。

 本多劇場で『パパ、I LOVE YOU!』

 その、うたい文句は「恋と嘘が病院中を駆け巡る!」「笑劇王レイ・クーニーの超スピード・ハイテンション・コメディ!!」

 作:レイ・クーニー
 訳:小田島雄志、小田島恒志
 演出:加藤健一
 
 出演:加藤健一、村田雄浩、一柳みる、日下由美、加藤義宗・・・・ほか

 ロンドンの大病院のとんでもないある日の出来事、ひとつの嘘が嘘を呼び、ドクターにナース、患者たちも巻き込んで、どれがホントかわからぬままに、病院中が大パニック・・に。

 もう、難しいことを考えずに、ただただ目の前の舞台で繰り広げられる・・・バカバカしくもおかしな・・・出来事に笑いころげました・・。実際には、ああも次々に嘘が嘘を招く・・・って事態はないかもしれませんが・・・。そして、結局・・・無理に隠しても・・・嘘はばれる・・との教訓??

 それにしても、芸達者な皆さんのハイテンション・コメディは文句なく面白かったのですが、実は始まってすぐ・・・「あれ??これ前に見たような・・・」そうです、タイトルが違っていたので気づかなかったけれど・・・2004年に上川隆也さん主演の『イット・ランズ・スルー・ザ・ファミリー パパと呼ばないで』と同じだった。

 その時も「嘘に嘘を重ね、それがいつばれるか・・・スリル満点」と感想を記したり、さらに、ドラマの設定がクリスマスの3日前だったのに、当時7月18日の観劇はで違和感が・・・とあった。

 今回もまあ、クリスマスの設定とはちょっと時期はずれだったものの、このいきなり現れた元彼女とその息子の設定からしたら、やはりカトケンの方が上川さんより年齢的にはぴったりだったかも??

 日常に目立って面白いこともない日々だから、思いっきり笑わせてもらえて・・・すごく楽しいでした。

 ここからは蛇足ですが、下北へ向かう途中、ふたつの落とし物をして、帰りに無事回収してきました。それにしても、ぼけたなぁ・・・(トホホ)。
 ひとつ目は押上駅で スイカのチャージをしていて、パスケースを忘れ・・・、二つ目は表参道駅で飲物などを購入時にレジに文庫本を置き忘れた・・・。

 いずれも、しばらくして気づき、駄目元で帰りに問い合わせたら・・無事、保管してもらっていました。良かった!!めでたしめでたし・・。
 
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2009年05月18日

舞台裏に興味津々

1ヶ月ぶりの観劇は久々の下北沢。確か2年ぶりかも・・・。ともかく、朝は雨が残り、出かける時なんとか雨が上がったものの、風が強い。観劇に天気はあまり関係ないにしても・・・、正直イマイチな感じ。

 で、芝居はレモンライブというお初な公演、劇場は下北沢の駅前劇場とOFF・OFFシアターを使って、役者さんがいったりきたりしつつ、『舞台バージョン』と『楽屋バージョン』を同時上演と言う小劇場らしい実験的?な作品。

『Back Stage』
作/演出 齋藤栄作
出演/円城寺あや、片岡信和、山田幸伸、多田直人、神農直隆、小豆畑雅一、佐野賢一、田口浩、岩渕敏司、滝口剛

 駅前劇場はシベリア少女鉄道という劇団の芝居を過去に見に行ったことがあったけれど...『え?こんなに小さな小屋だっけ』と、あらためて・・・ちょっとびっくり。

 この作品、舞台と楽屋、表裏一体、できれば両方見ないといけないんでしょうが、まあ、そうも行かず『舞台バージョン』をセレクション。

 実力派女優と人気若手俳優の2人による舞台『ロミオとジュリエット』が開幕して数日。華やかな舞台の裏では日々様々な問題がぼっ発していた。そのすべての原因は公演スポンサーの娘のわがまま。エスカレートする要望にさすがに女優も切れて....。
 うっかりミスで幕は上がってしまったが、女優は楽屋にこもり、どうする??神に選ばれたものだけが踏める舞台に、スタッフも素人もなぜか飛び出す始末・・・・というまさにTHE ドタバタコメディ。

 もう、むずかしいことを考える間もなく(必要もない?)、お腹をかかけて笑って・・・楽しい舞台でした。それにしても、バックステージもの、好きです。芝居好きには、次々に襲い掛かる問題をなんとかねじ伏せても、芝居をやろうという・・・その心意気が嬉しいし、舞台裏の苦労、裏話なども、興味がそそられるからなぁ。

 単純に、後腐れなく・・面白かったです。なぜ、この芝居をチョイスしたかというと、劇団MOP所属の神農直隆さんが出演しているとわかったから・・・。あと、チケット代4000円と安かったし・・・って、そんな理由で申し訳ありませんでした。
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2009年04月22日

カラスを撃つ?

 『カラスを撃つ』(「シュート・ザ・クロウ)が『さっさと仕事を片付けて、一杯飲みに行こうぜ』って意味だなんて・・・、『風が吹けば、桶屋がもうかる』くらい・・・突飛な飛躍のような・・・気がするけれど、なんにしろ、これは北アイルランドの劇作家オーウェン・マカファーティーの作品です。

 新国立劇場で、3月の『昔の女』に続くシリーズ・同時代の第2弾は『シュート・ザ・クロウ』。

 開場と同時に、舞台ではすでに、壁のタイル貼りの作業が進んでいます。タイル職人4人の芝居だから、ちょっと見、本職はだし?のような、手際の良さでタイルを貼っていく役者たち。

 となりの二人づれの女性が、ひそひそ声で『役者辞めても、タイル職人でいけそうね』なんて話していたら、なんと、さらにそのとなりの男性が、『私が指導したんですが、うまくなりましたね』・・・と。

 あとで、パンフレットを見たら、『現場から・・・タイル職人の世界』を書いておられる金澤タイル工業所代表取締役の金澤さんでした。

 芝居は北アイルランドのベルファストで働くタイル職人たちの仕事の1日。
 仕事をしながら、家庭の悩み、仕事について、愚痴ったり、喧嘩したり・・・、さらに、大量のタイルを盗んで売り飛ばすことを目論んだものの・・・。

 この日で仕事からリタイアするディンディンの悩みは、これまで仕事を楽しんでいた訳ではなく、文句を言いながら、ただ働き続けて来ただけ・・・。でも、仕事が無くなったら、明日からどうしたらいいのか・・・わからない。
 出来の良い娘をフランスに研修旅行にいかせたい、そのために金がほしいピッツイ。家を出ていった妻子、息子と気持を通わせるためにも映画に連れていきたい・・・ソクラテス、お金を溜めてオートバイが買いたい若いランドルフ、 それぞれの懐具合から盗みを計画しつつ、かけひき、言い合い・・逡巡・・・・。
 仕事について、暮らしについて・・・、『言葉』『言葉』まさに語りに語る・・・彼ら。
 なのに・・時折、睡魔に吸い込まれそうになったのはなぜ??

 それにしても、ピッツイを演じた阿南さん、もう根っからの職人、熱い男だぜ!・・って感じでした。ディンディンは平田満さん、ソクラテスは板尾創路さん、若いランドルフは柄本佑さん。演出は田村孝裕さん。
 
 ともあれ、洋の東西をとわず、『さっさと仕事を片付けて、一杯飲みに行こうぜ!』には・・・ハイ、共感、納得でした。
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2009年03月16日

春が来て『昔の女』

 昨日、今日と一気に春の到来です、まさに『SPRING HAS COME!』という感じですね。それにしても、金・土曜の雨、風の激しい嵐模様とのあまりにドラマティックな変化に驚きました。

 でも、日暮れも伸びて、なんだか、やっぱり単純に嬉しいですね。命が伸びていく感じ・・・、縮こまっていた肩の力も抜けてきて、活動力復活です。まあ、一緒に頭も活発化するといいんですが、こればっかりは・・・無理みたい??

 ともかく、日曜日には新国立劇場に『昔の女』という芝居を見に行きました。ドイツの最先端劇作家、シンメルプフェニヒの作品を日本の若手演出家、倉持裕が演出した作品。

 引っ越しの準備をしているある3人家族のもとに、突然24年前に別れた夫の元恋人が現れた。いまは長年連れ添った妻も息子もいるという男に、その女は永遠の愛を誓うという約束を果たしに来たと繰り返し迫り、家族を次第に恐怖に陥れていく。
 
 夫役フランクは松重豊、その妻、クラウディアは七瀬なつみ、ふたりの息子アンディは日下部そう、息子の恋人ティーナはちすん、そして謎の女、ロミー・フォークトレンダーは西田尚美。

 普通に暮らしていた家族にいきなりあらわれる「昔の女」は不条理そのもの・・・。しかし、ふつうさっさと追い出して終わるはずの状況がどんどん、深みにハマっていく・・・。時間を前後させて、重層的構造の芝居が奥行きを深くして、より引き込まれました。
 シンプルな舞台装置、引っ越しのための段ボールがいくつもあるだけなのに・・・、それが引っ越し直前の殺伐とした状況と「昔の女」に翻弄される状況をダブらせて...、予想以上に面白い舞台でした。役者さんたちも好演で、・・・チケット代節約でバルコニー席にしたけれど・・・、ちょっと見切れることもあったし、残念だったかな?

 はじめて新国立劇場に出かけた時には、重厚過ぎる建物に圧倒されたり、お役所っぽい厳めしさに辟易したりもしたけれど、何度か通うと次第になれて来たし、なにより、良質の舞台が格安の値段で見られるって・・・(税金の有効活用??だといいなぁ??)、この不況時には、ホント嬉しい限りです。

 話し変わって、うちのわずかな庭のそのまた片隅に、季節を違わずシュンランが咲いている。地味な花だが、毎年、忘れずに咲いてくれて、ホントにありがとうです。
 
shunran2.jpg
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2009年02月10日

圧倒的な会話??

 8日には、初の劇場『あうる・すぽっと』へ出かけました。池袋から真直ぐに歩いて分かりやすかったです。

 そこで見たのは、イプセンの『ちっちゃなエイヨルフ』という芝居。まったく、事前の情報なしだったので、出演が勝村政信さんと、とよた真帆さん、演出がタニノクロウさんとしか、知りませんでした。

 この芝居、勝村さん演じるアルメリスと、とよたさん演じるリタは夫婦。そのふたりの間に、『ちっちゃなエイヨルフ』の息子がいる。しかし、その息子は過去にちょっとした不注意から松葉づえが必要になっている。そして、今、この家を訪ねたねずみ駆除の老婆に誘われるように、エイヨルフは出かけて、事故にあい、死んでしまった。

 この急展開の事態に、夫婦、それにアルメリスの妹、その彼女に関心を寄せる技師ボルグハイムも絡んで、ひとのかかわり、ひととしての生きる意味、人生になにが大切か??などと、いわば、人生そのものを、深く、互いに、その心の奥をさぐり合うことになる。

 シリアスな会話劇が続く芝居は、時に睡魔に襲われたりもしたけれど、一般的な日本人夫婦との違いをあらためて痛感したような??
 
 あそこまで、言葉でなんとか問題を解きほぐそうとするだろうか?自分と相手の、心の奥までさらけだそうとするだろうか?それも、単に自暴自棄ではない、冷静に問題を解明していこうとするだろうか?もちろん、自己弁護もあり、相手への嘲笑、叱責もありつつも、終わることのない追求は、『あうん』だの『空気読む』などという日本人とは異質な気がしたけれど??
 
 日本の映画、芝居、Tvドラマであまり、見たことのない??展開のようですから。

 というわけで、この芝居を見ている途中で、ベルイマンの映画『ある結婚の風景』を見た時と同じような気分・・・、日本人との異質を感じたわけです。
 そういえば、『ヴァージニア・ウルフなんか怖くない』という芝居でも、圧倒的な夫婦の言葉による追求があったっけ。やはり、どちらが良いとか、悪いとかではないけれど、国民性の違いを痛感したのでした。

 膨大なセリフを演じる役者のみなさんには本当に大変だったかと思いますが、ちょっと、途中に会話のみでは単調な??部分もあって、それが残念だったかな?

 それにしても、今は日本人夫婦も『風呂、飯、寝る』って3語で終わっているとは思わないけれど、どの程度の会話なんでしょうね?うちは、標準以上?それとも標準以下??なんにしろ、『ちっちゃなエイヨルフ』ほどのすさまじい会話がないことは事実です。

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2009年02月02日

しとやかに、したたかに・・・

 今年最初の芝居は紀伊国屋ホールで『しとやかな獣』でした。新藤兼人監督の脚本で過去に映画化された作品を、今回ケラさんが舞台化したもの。

 映画は見ていませんが、若尾文子さん主演だったことだけは、うっすら知っているような??

 でも、ストーリーもまったく知らないままで観劇。

 1960年代はじめ頃でしょうか?団地の一室が舞台、そこに住む夫婦は、息子や娘が会社で使い込んだり、パトロンから貢がれた金を巻き上げて、のうのうと暮らしている。そこへ、息子の勤める会社の社長が、金の使い込みについて問いただしにやって来る。美人の会計係も同行して・・・。

 その美人の会計係が、実は、社長も、息子も、さらに会計士や税務署員まで手玉にとって、金を貢がせていた・・・。

 人間の醜さ、愚かさを見せながら、それも人間だよなぁ・・・と思わせるのは、細部にも妙にリアルだったりするからでしょう。

 一見しとやかで清純そのもの、でも、冷静沈着、誰よりもしたたかな悪女を演じるのは緒川たまきさん、息子や娘から金をくすねて、のうのうと暮らす父親は浅野和之さん、その妻で、良妻を演じつつ、悪事をものともしないのは広岡由里子さん、みな、なかなかの悪人振りが見事でした。

 唐突に終わった芝居のその後が・・気になる・・・って、まんまとハマったってことですね。
 
 一度、書き込んだのに、なんと、確認をクリックのはずが...一瞬で消えちゃったので、再度書く羽目に・・・。最初に書いたものの方がまだしも出来が良かったような気がするけれど、そっくり再現はならず・・・、ちょっと、悔しい・・。

 
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2008年11月30日

強く、かわいい、イイ女

 劇団MOP主宰、演出家、脚本家のマキノノゾミさんの作品、好きです。訴えたいテーマがありつつ、きちんとエンターテイメントになっている・・・。見て楽しい上に、ちゃんと心に残る芝居だからです。

 劇団青年座がマキノノゾミの三部作を一挙公演という。過去にどれも評判だった三作品。この機会にぜひ見たい・・・と思ったものの、三作品制覇などとうてい無理。というわけで、キムラ緑子さん主演に惹かれて、本日『MOTHER』を紀伊国屋ホールにて観劇。

 これは、「歌人として、女として、妻として、母として、懸命に時代を駆け抜けた与謝野晶子。その晶子と夫鉄幹の下に、北原白秋、石川啄木、佐藤春夫、平野萬里、大杉栄、菅野須賀子、平塚明子らがつどい、そして別れた。あの忌々しい大逆事件をはさんだ明治42年から大正2年、若い彼らは文学に、社会改革に、愛に命をもやした」(初演1994年)とあるように、歴史に名を残す文学者や革命家、キラ星のごとき彼らが不思議と身近に感じられた。
 特高につきまとわれ、時代は決して明るくはないにもかかわらず、誰もが精一杯生きる姿は今も心を打つ。特に、才能に恵まれ、歌、小説、エッセイなどひたすらに仕事をし、生計を支える一方、多くの子どもを育てる生命力溢れる晶子は、強いけれど、実に可愛い女。
 「難しいことは解らないけれど、楽しいことが好き、美しいものが好き」という晶子に素直に共感。
 一時期、時代の寵児だったにもかかわらず、徐々に妻に越されて、腑甲斐ない夫となった鉄幹とそんな夫を時に疎ましく思いつつも、やはり気づかい、愛する晶子との夫婦像も、リアルにありだなぁ・・・と。
 人妻との恋愛が姦通罪となる時代、「生き恥をさらすことは出来ない」と泣く北原白秋に「生き恥などなんでもないこと。気にせず生きよ」と説く晶子に思わず拍手したくなった。
 演じる役者さんがみな大熱演で(情けない鉄幹役の山路和弘さんが良い味だしているし、緑子さんはまさに晶子って感じ)、すごくハマっていて、観客としては笑ったり泣いたり、忙しかったです。

 今年の芝居観劇はこれで終わり。見たい芝居は数あれど、なかなか厳しい状況となっているので、さて、来年はいかがなりますやら・・・・。まあ、エネルギッシュな与謝野晶子の頑張りを少し見習って、ぼちぼちと歩むとしましょうか。
 
posted by norarikurari at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 芝居 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする