2013年04月26日

現代につながるテーマ

 昨夜は久々のシアター・コクーンでの観劇。『木の上の軍隊』は原案・井上ひさしさん。2010年に亡くなるまで,この芝居を完成させたいと思っていた井上ひさしさん・・・・。その思いを何とか形にしようと、蓬莱竜太さんが仕上げた脚本だったようです。

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 出演は藤原竜也さんと山西惇さん、さらに片平なぎささん。舞台上には巨大なガジュマルの木があって、太平洋戦争に負けてから2年の歳月を大きなガジュマルの木の上で暮らした上官(山西さん)と新兵(藤原さん)の物語。ガジュマルの木の精(片平さん)がこの芝居の語り部。

 ともかく、第二次世界大戦で最後の地上戦となった沖縄が舞台。新兵は沖縄出身の素朴な青年、上官は本土から来て、すでに、幾たびかの修羅場を見て来たと言う。この二人の立場の違いが・・・この芝居の大きなテーマでもある。舞台上の巨大なガジュマルの木が新兵と上官の隠れ家であり、生活の場でもある。片平さん演じるガジュマルの木の精はこの芝居の語り部でもある。舞台脇でのビオラの生演奏がこの芝居の陰影を深める。
 新兵も上官も共に、飢えに苦しみ、さらに、米軍の残飯を前にして、ためらう思い、やがて、米軍の残り物に依存する暮らしへ・・・、そこに見える人間の愚かさ、悲しさ。

  実はこの芝居で見えて来るのは、敗戦さえも織り込み済みの本土の軍隊上層部、そんな彼らは沖縄を切り捨てて行こうという意志を持ち、それは、つまりは誰もが気づく今につながる問題。
 ガジュマルの木の上から眺める敵の陣地は日に日に大きくなって行く・・・.つまり、戦後の沖縄米軍基地の問題であり,沖縄と本土との意識の格差であり・・・これは、今なお横たわる大きな問題だと何よりも井上が、そしてその意思を汲んだ蓬莱の言いたかったのだろうな。
 もし、井上さんが現存したら、どんな芝居になっていたのだろうか?何よりも、3・11後について、どう考えるかと、気になりましたが、残念ながら答えはない。
 ガジュマルの木を上り下りする藤原竜也さんと山西惇さん、役者には大変な芝居だったのではと、単純にその演じる大変さを思いました。でも、久々のコクーンの芝居、今回は初のコクーンシートながら、しっかりと楽しめて、なりよりでした。
posted by norarikurari at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 芝居 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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