2012年09月28日

『エッグ』って何?

 チケットをとったのは、3ヶ月近く前。その頃にはまさか台風なんて予想になかったけれど、台風18号の影響で夕方から雨かも?という予報。一応、傘を持って、池袋、東京芸術劇場を目指します。野田秀樹さんが芸術監督の東京芸術劇場、ここしばらく改装のためお休みでしたが、今回『エッグ』でリニューアルオープン。

 平日ソワレでも立ち見も出る人気ぶり。野田地図第17回公演は当然、作・演出 野田秀樹。
 キャスト:妻夫木聡(安倍比羅夫)、深津絵里(苺イチエ)、仲村トオル(粒来幸吉)、秋山菜津子(オーナー)、消田監督(橋爪功)、野田さんは劇場案内係と芸術監督を兼ねて、大倉孝二さんに藤井隆さんも出演する豪華キャスト。

 それにしても、謎めいたはじまり・・・。五輪フィバーという感じで盛り上がるのは、この夏も見慣れた光景。ここでは『エッグ』と言う謎のスポーツが大人気。なかでも、人気プレーヤーは粒来幸吉・・・・、そこに農家の三男坊という安倍比羅夫が登場して、いきなり大活躍・・・・。とはいえ、肝心の『エッグ』のプレーは観客には見えない。ロッカールームで、観客の歓声などが聞こえるだけ。

 オリンピック、つまりスポーツと戦争は共に男の活躍の場・・・であるという。目まぐるしいほどにスピーディに展開するこの芝居では、いきなり『エッグ』のプレーヤーは男にもかかわらず、看護婦姿になってみたり、時代はドンドンさかのぼって、東京オリンピックへと場面転換。主要な登場人物の名前は、当時の円谷幸吉とアベベに由来するらしい・・・・。

 しかし、『エッグ』というスポーツの由来をたどって、さらに時代はさかのぼり、1940年東京オリンピック中止の報道となり、さらに満州での731部隊の細菌実験へと行き着く。
 更衣室のロッカーが小道具として大活躍。さらに、薄くすけるカーテンが時にガス室にもみえるようだったり、汽笛の音で時代を超えていき、いくつもの歴史が重なりあって・・・、重層的にすけて見えるのは、人間の残酷さだったり、にもかかわらず、かすかな愛だったり・・・。
 深津さん演じるロッカー、苺イチエは、粒来への愛、それを横取りした安倍比羅夫への思いなど、女の立場の複雑さを時に、アイドル風に、時にミュージカル風に表現して、刺激的。

 見ているものは、もうあれよあれよ・・・と野田さんの思惑とストーリーに翻弄される感じ。今回は、場面ごとに噂、つぶやきが時々の状況におかしな作用をしていくこと皮肉っている。野田さんは、マスコミとかツィッターなどに大いに懐疑的。

 ひょっとして予言者?って感じがしないでもない野田さん。これまで、度々、芝居と現実が不思議なリンクをしていく感じがあったけれど、今回、スポーツの熱狂から・・・戦争の熱狂へ・・・って、まさか・・・これからの日中関係を予言していないことを祈りたい。
 最後に、満州に置き去りにされる日本人、女性や子どもたち・・・・が、3・11の被災者と重なってしまうような・・・・、これは野田さんの抗議なのかも?と思ったりしました。

 役者さんも、椎名林檎さんの音楽も、美術、衣装、照明などと一体となった、総合芸術として見応えのある作品でした。野田さんは何を訴えたかったのか?何を読み取ってほしいのか?と、あとあとゆっくりと反芻することが出来る刺激的な芝居、だから好きです。

 台風は遠慮してくれたようで、結局、傘をさすこともなく、無事帰宅。

 ようやく遅ればせながら、庭のヒガンバナが咲き出しました。例年より、かなり遅くなっての開花、これはやはり夏の猛暑の結果でしょうか?
higanbana12.jpg


 この時期の風物詩は、雀のねぐら入り。近くの街路樹、ケヤキに夕方いったいどこから集まったかというほどのたくさんの雀で、それはそれはにぎやか。まるで、ケヤキの木自体がざわめいているかのような・・・五月蝿さですが、不思議なことに、お気に入りなのはファミレスの『COCO'S』前のケヤキ。ケヤキ並木は長いし、他のもっと静かな落ち着きそうなところがいっぱいあるのに、なぜか・・・他には目もくれず・・・・、ひょっとして、夜中も明るく、人の出入りがあるところが安全ってことかなぁ???
posted by norarikurari at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 芝居 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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