2012年04月02日

お久しぶりのシアター・コクーン

 昨日はエイプリル・フールとはいえ、別に誰かをかつぐでもなく、かつがれるでもなく・・・ごくふつうの日曜日でした。まあ、祖母のひとりが亡くなったのが何年か前のこの日で・・・、おかげで命日を忘れない・・・って良いことなのかな?

 それはさておき、目下シアター・コクーンで公演中の芝居『ガラスの動物園』を見に行きました。しばらく改装中だったようで、その間とその後もご無沙汰続きでした。なんと、2010年10月の『タンゴ』以来・・・って、まさにお久しぶりの極み。『タンゴ』も今回の『ガラスの動物園』も演出は長塚圭史さん。目下、かなり気になる演出家のひとりです。

 『ガラスの動物園』はアメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズの出世作。『欲望という名の電車』は本当にずしんと心に迫る作品だけに・・・、これも期待大です。
 自身の家族をモデルにしたような・・・・、自伝的要素が強い作品。特に、瑛太さん演じるトム・ウィングフィールドは、テネシー・ウィリアムズを彷彿とさせる文学青年。
 その姉で極度に内向的なローラ・ウィングフィールドを深津絵里さんが演じ、二人の子どもに自分の叶わぬ夢と幸せを強要して、息苦しくされる母親、アマンダ・ウィングフィールドを立石涼子さんというキャステング。さらに、2幕にはトムの職場での唯一の友人として登場するジム.オコーナーを鈴木浩介さんが演じている。
 1930年代のアメリカはセントルイスが舞台。大恐慌後、スペイン内乱なども起っている閉塞感に苦しむ時代が背景にあって、さらにこの一家の家族関係も非常に息が詰まる感じ。トムの回想として、この芝居は始まります。母親も悪い人ではないらしいけれど、まあ、自分の思い通りにしたいタイプゆえに、夫はとっくの昔に逃げ出している。そして、どうもトムもこの息苦しさから逃げ出したい気配。
 
 足が少々悪くて、引っ込み思案、人と付き合うのが苦手中の苦手と言うローラは、ビジネススクールからも逃げ出し、わずかな楽しみはガラス細工の動物たちを眺め、いとおしみ、父の残した古いレコードを聴くことだけ。
 そんな一家にある日、母にせっつかれて、トムは職場の友人ジムを食事に招待する。ジムはローラにとって高校でのあこがれの青年だった。明るく好青年のジムのおかげで・・・シャイなローラの心も打ち解けて来て・・・、かすかな光明が見えたかに思えたが・・・・。
  
 明るくて前向きな好青年なのに・・・・それゆえに?それにしても、ちょっとえ?って感じの無神経さ?というか、意外な展開に、テネシー・ウィリアムズさん、どうなの??って聞きたくなりました。

 ともかく、何度も上演されているだけに、奥深く、味わい深い作品。誰もが、登場人物の誰かに共感したり、自らを重ねあわせたりできそうです。母親って、子どもにとって大なり小なり問題なのかもなぁ・・・と、思わず自分を顧みてぞっとしたり・・・、子どもの立場からは母の期待に応えられない苦悩も分かるなぁ・・・とか、逃げ出したくもなるよね・・・とか。

 そんなドラマをくりひろげるのは、がらんとした灰色の広くシンプルな舞台。そこに時間の流れやたゆたう思い、運命を表現する存在としてダンサーたちを使って、面白い演出効果を発揮していました。彼女たちは、時にテーブルや椅子などを配置したり、移動したり・・・黒子的役割も果たしていて・・・行き詰まるような物語に動的な魅力を加えているようで、新鮮でした。

 演出によって、観客の受け取り方は随分ちがったものになるのだろうな・・・と、興味深かったです。キャストはみな、なかなか良くハマっていて・・・、良かったんじゃないでしょうか?
 
 好みのタイプの芝居だったので、見終わって・・・ちょっとテンション高めになりつつ、車中でパンフレットを読んで、おさらいしながら帰宅したのでした。
 
posted by norarikurari at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 芝居 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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